病院の隣を流れる源兵衛川の水は美しく、川面からの清々しい風を運んでくれます。 また、川面に揺れる三島梅花藻(小さな白い花が咲く水中花)をはじめ、季節の花々が咲き、夏には蛍も飛び交います。 運良く美しい青色のカワセミに出会う事もあります。病棟のデイルームからは、富士山、箱根などの景色も望め、三島市の中心部にありながら自然に囲まれた素晴らしい環境にあります。
三島中央病院看護部では、ナイチンゲールが提唱した看護とは何か(看護の原理)に基づく看護実践に取り組み、 人間に備わる自然治癒力が十分に働くための援助を行っています。
地域に密着した医療を担うため、安全・確実に治療が受けられ、 また、突然の病気の発症や悪化に伴う、患者さんやご家族の痛みや不安に寄り添い、 その苦痛を癒やすことに努めています。
そして、看護の専門職として、全てのスタッフが良い看護体験ができ、やりがいをもっていきいきと働き続けられるための職場環境作りと人財育成を目指しています。
2025年に向かい、医療・看護を取り巻く環境は大きく変わろうとしています。 その変化に柔軟に対応し、地域の求める当院・当看護部の役割を確実に果たせるよう努力して参ります。
社会医療法人 志仁会
三島中央病院
看護部長 菊池真貴子
三島中央病院の看護職員は、患者さんが安全かつ確実に治療が受けられ、自然治癒力が十分に働くように最良の条件を作り出すように援助します。
また、地域の健康への期待と治療の発展に寄与できる専門職としての看護実践を目指します。
・私達は、患者さんの安全を守るためのルールを遵守し、診療チームの一員として協働します。
・私達は、「ナイチンゲール思想」を基に患者さんの生活を創造的且つ健康的に整え、
患者さんの『持てる力』が十分に発揮できるように生活過程を整えます。
・私達は、患者さん・ご家族の痛み・辛さ・心配や不安を表出できる環境作りと、それを
軽減するための努力を惜しみません。
・私達は、患者さん・ご家族の疑問点等に対して、理解して頂ける言葉で丁寧に説明する努力
をします。
・私達は、患者さん・ご家族に『第一級の看護』が贈れるよう、常に謙虚に自己研鑽します。
1 様々な看護の機能を活かし、地域医療に貢献します
2 エラー防止のための確認行動を徹底し、安全な医療を提供します
3 ご高齢の患者さんが、安心して療養できるための看護師教育とケアの実践を目指します
4 魅力ある職場を作り、人財を確保します
5 SDGs活動を実践します
KOMIケア理論の実践
(自然治癒力や身体内部の回復のシステムが働きやすい条件を創り出す看護援助)
KOMIケア理論は、ナイチンゲール看護思想を基にした現代ケア論であり、創始者である金井一薫氏の名にちなむと共に、Kanai Original Modern Inovatinの意味を持ちます。人間の持つ自然治癒力を信じ、失われたものを追いかけず、良いところを探し高める援助。看護の喜びをすべてのスタッフと共有できることを目標に看護実践をしています。
看護部では、手を使った看護を大切にしています。
タクティール®ケアは、手や足や背中を優しく触れるスウェーデン生まれのタッチケアです。心地よさやオキシトシン分泌をもたらし、自律神経系のバランスを整えます。また、痛みや吐き気、認知症の行動心理症状(BPSD)やせん妄にも効果があると云われています。院内での受講支援などにより、研修を受けた30名以上の看護師、看護助手が中心となり患者さんに提供しています。
株式会社日本スウェーデン福祉研究所へのリンク → タクティール®ケア(https://jsci.jp/taktil/)
患者さんの離床への援助として、背面開放座位保持具Sittan®を用いた病棟内リハビリを取り入れています。寝たきりの状態は無重力状態に近く、身体の廃用(使わないことによる機能低下)を招きます。脊柱を立て、首を自力で保持し、足底を床に着けた姿勢をとることで、身体の機能が回復していきます。また、視界の変化や交感神経への刺激が脳の覚醒を促し、表情が豊かになったり、会話が増えたりします。この様な良い変化を患者さんとご家族、スタッフが共有し看護の糧としています。
ご高齢の方の生活リズムを整え、入院生活に楽しみを提供します。規制の多い入院生活の中で、気分転換を図り、その方らしさを表現するコミュニティの場でもあります。病気や入院によるストレスを癒すための時間となる事を願っています。毎週火・金曜日の午後、各病棟から数名ずつの病状の安定した患者さんが集い楽しんでいます。体操、ボール投げ、ゲーム、懐かしい歌を歌った後、嚥下に配慮した美味しいおやつとお茶の時間を楽しみます。看護師、看護助手も患者さんの笑顔に癒やされています。
救急医療を担うため、救急蘇生法であるICLS学習に取り組んでいます。
TSAのICLSコース開催や、院内研修会を行っています。
(インストラクター3名、受講者72名)
災害時に備え、災害支援ナース育成を行っており、静岡県看護協会災害支援ナース登録者数は13名となっています。
毎年の防災訓練では、トリアージ訓練を行っています。
看護部では、院内外の多職種と連携し、住み慣れた場所での療養生活を続けられるよう患者さん、ご家族と一緒に考え、看護を提供しています。退院後は訪問診療医師、地域の多職種と連携をとりながら療養生活を支援しています。
NST(栄養サポートチーム)、ICT(院内感染対策チーム)、褥創対策チームでは医師・栄養士・薬剤師・検査技師・リハビリスタッフ・医療ソーシャルワーカーなどと共働し、部門を超えて活動しています。
褥瘡回診
病棟多職種カンファレンス
病棟多職種カンファレンス
ICTラウンド
「金井一薫先生講演」
テーマ:急性期の現場でKOMIケアをどう活用するか
サブテーマ:看護の本質に基づく看護の展開こそ、目指す看護の姿
創始者の金井一薫先生をお招きして看護のすばらしさと実践での活用方法を学ぶ。
ナイチンゲール看護研究所HPへのリンク → (https://nightingale-a.jp/)
日常業務から生まれたアイデア(腰痛防止の為のキャスター付きポータブルトイレ)を実用化しました
・看護事例研究発表(卒後2年目)
・看護研究発表(各部署)
・院外発表
(日本看護学会・静岡県看護協会東部地区支部 他)
・入院オリエンテーションの看護補助者への委譲
・端座位保持具Sittanを用いたKOMIケア理論の実践
・自然に働きかける1つのかたち
~急性期病院にタクティールケアを導入して~
・認知症患者に対する看護者の気持ちと行動の変化
~ユマニチュードを用いて~
・牽引中の腓骨神経麻痺予防の為の安楽な姿勢保持の取り組み
・効果的な術前オリエンテーションの方法
・経皮経肝胆嚢ドレナージ挿入患者へのシャワー浴の試み
・退院前訪問が患者に与える影響
~訪問前後の気持ちの変化~
・自己管理能力向上に向けた看護を通して学んだこと
~糖尿病治療の自己中断により重症化を呈した患者の自宅退院に向けた関わり~
魅力ある職場をつくるためのチーム活動として、多職種参加のバーベキュー大会や、球技大会、働きがいアンケートによる職場環境の改善などに取り組んでいます。
<三島成人式記念駅伝大会にて>