当科は、昭和52年に関耳鼻咽喉科としてスタートしたのが元で現在に至る非常に伝統ある科です。
手術に関しては、内視鏡下副鼻腔鼻内手術、喉頭微細手術、扁桃摘出術、鼓室形成術、唾液腺腫瘍摘出術、甲状腺腫瘍摘出術等多岐にわたって行っております。
また最近は、顔面神経麻痺で重症化し保存的治療では治らない方に顔面神経減荷術を積極的に行っております。
当院は常勤の麻酔科医が3名おりますので、手術も待つことなく行うことができ、患者さんにとりましても非常に良い環境だと思います。
また、日本人の4人に1人とも言われるアレルギー性鼻炎(花粉症)の患者さんには、まず原因物質を調べ、その結果で薬物治療と、アルゴンプラズマ凝固法および舌下免疫療法等を組み合わせた治療を行っています。必要な方には手術療法(内視鏡下鼻腔手術や後鼻神経切断術)を行います。
他にも、最近のトピックである睡眠時無呼吸症群は慢性疲労の原因となるばかりか、高血圧や狭心症・心筋梗塞の誘因にもなると考えられております。
アレルギー性鼻炎は原因物質(抗原)により、季節性か通年性かに分けることができます。
季節性の抗原としては花粉やカビが多く、通年性の抗原としてはハウスダスト(室内塵)やダニがあり、季節性アレルギーでは花粉が飛ぶ季節など一定の期間に症状が出現しますが、通年性のものでは症状が1年中続くことが特徴です。
予防と治療のために原因を調べることをお勧めします(簡単な血液検査で調べられます)。
また、症状が強く出るとどんな強い抗アレルギー剤も効果が弱くなります。
鼻の中、顔面には副鼻腔といわれる空気の部屋がいくつかあります。
蓄膿といわれる副鼻腔炎はその部屋に膿などが溜まってしまうことを指します。発症からの経過により急性期と慢性期に分けられます。
症状としては、頭痛、鼻閉(鼻が詰まって鼻呼吸がしにくい)、嗅覚障害(においが分かりづらい)、後鼻漏(痰がノドに垂れてくる)、歯痛(歯からくる副鼻腔炎もあります)など様々です。
診断としては鼻腔内視鏡検査や画像検査(CT検査やMRI検査)などで総合的に判断します。
治療はまずは薬物治療(飲み薬や点滴など)ですが、薬物療法ではなかなか良くならない治療抵抗性のある副鼻腔炎に対しては手術療法を行っております。
手術は現在では内視鏡の発展により、鼻内から内視鏡で手術を行うため基本的には手術の傷口は外から見ても分かりません。
全身麻酔での手術であるため入院は必要ですが、その分安全に行うことができ術後の管理も病棟でしっかり行うことができるため患者さん自身には安心できる環境となっております。
また当院では水で溶ける止血資材を使用することもあり、術後に鼻うがいをしていただくことができる方であれば手術後の処置は少なく済むため、入院期間を短くできる可能性もあります。(※術後数日は出血のリスクもあり状況を見ながら適切な治療を要するため、場合によりご希望には添えないこともございますのでご了承ください。)
鼻が詰まっていて鼻水は出るけどただのアレルギー性鼻炎だと思っていた方も検査をしてみると副鼻腔炎だったなんてこともありますので、一度受診をしてみることをお勧めします。
アレルギー性鼻炎 の患者さんには、まず原因物質を調べ(血液検査で簡単に調べられます)、薬物治療、舌下免疫療法を組み合わせた治療および高周波凝固術の最新の治療法である「アルゴンプラズマ凝固法(APC)」を行っています。
減感作療法とは、アレルギーの原因となる物質のエキスを少量ずつ体内に定期的に注射していくことにより、アレルギー物質に対して体を慣らしていく治療法ですが、注射薬の製造が中止となるため全国的に導入することができなくなりました。そこでアレルギー免疫療法として、舌下免疫療法があります。
舌下免疫療法は原理としては減感作療法と同じです。アレルゲンとしてはスギ花粉とダニの2種類のみが適応となるためまずは血液検査にてそれらのアレルギーがあるかどうかを調べる必要があります。基本的には3年間継続して治療します。
またスギ花粉の場合は開始するタイミングは飛散時期を避けた方がいいこと、内服ができる年齢であることなど注意点もあります。まずはご相談ください。
アルゴンプラズマ凝固法(APC)とは高周波凝固法のひとつでイオン化されたアルゴンガスの中に高周波電流を流し鼻の粘膜を焼灼することによって治療を行います。
外来診療中の短時間で安全に治療が行え、効果の確実性が高いのが特徴です。
また難治症のアレルギー性鼻炎の患者さんには、全身麻酔での手術(内視鏡下鼻腔手術や後鼻神経切断術)を行っています。
昼間強い眠気に襲われる、疲れがとれにくい。
「ガァーガァー」といびきをかいたかと思えば、時々呼吸も止まっていたよと言われた。
そんな経験はありませんか?
睡眠中の「ガァーガァー」は、正常な呼吸が出来ていない証拠です。
呼吸が止まると身体に十分な酸素を取り込めず、放っておけば心筋梗塞や脳血管障害などを引き起こす原因にもなります。
「ガァーガァー」といびきをかく人は、実は「睡眠時無呼吸症候群」という病気の可能性があります
まずは、「睡眠時無呼吸症候群」度チェック!!
・昼間いつも眠い
・いくら寝ても眠い
・居眠りをよくする
・精神的に不安になる
・夜間、何度か目を覚ます
・疲れが取れにくい
・朝起きると頭が痛い
・集中力が落ちてきた
・目覚めがすっきりしない
・イビキが大きいと言われる
3個以上当てはまる方は、要注意!!
入院して体中にセンサーを取り付けて脳波や呼吸状態を調べます
生活指導あるいはCPAPと言って呼吸の補助装置を採用した治療、または手術療法などの様々な治療を行っています。
鼻腔の奥の突き当りには上咽頭があります。この部位にはリンパ組織があり鼻呼吸の際に細菌やウイルスなどの病原菌が付着し易い部位で免疫応答の役割があります。わかりやすい例ではコロナウイルスの感染検査で医療者が行う鼻咽頭ぬぐい液は上咽頭から検体採取をします。
また上咽頭には迷走神経と舌咽神経という重要な神経があります。よって上咽頭に慢性炎症があると多彩な症状を起こすことが知られています。しかし上咽頭自体に自覚症状が少ないこと、内視鏡所見では一見正常に見え綿棒で擦過してみないと炎症の存在が診断できないことから見逃されやすい疾患です。
またうがいでは洗い流せない部位でありセルフケアをしにくい部位です。当院では他の検査では原因不明であった、頸部リンパ節腫脹、偏頭痛、首こり、肩こり、咽頭違和感、慢性の咳や痰、後鼻漏、鼻閉、浮動感や立ちくらみなどのめまい、耳痛、全身倦怠感などに関して、慢性上咽頭炎と診断し、上咽頭炎を治療することで症状の軽快、消失が得られています。
また上記の症状に随伴していた、全身の筋肉が痛む線維筋痛症のような症状、掌蹠嚢疱症、脱毛症が治癒した例もあり、これは慢性上咽頭炎が病巣となって全身に影響を及ぼす病巣感染であったと考えられます。
またコロナウイルス感染後やコロナワクチン接種後のいわゆるアフターコロナの症状にも慢性上咽頭炎の治療効果がみられています。治療は上咽頭炎の部位を塩化亜鉛を浸ませた綿棒で週1~2回、合計7-8回程度、擦過します。この治療は1960年台からBスポット治療、最近ではEAT(Epipharyngeal Abrasive Therapy、上咽頭擦過治療)と呼ばれ、歴史のある安全な治療法です。
またご自宅で上咽頭セルフケアの鼻咽腔洗浄も勧めています。慢性上咽頭炎は中学生から高齢者までみられます。治療の際には個人差があるものの痛みを伴いますが、長期の慢性症状から解放された方も多く、上記症状でお困りの方は一度慢性上咽頭炎があるか上咽頭の内視鏡検査を受けてみることをお勧めします。
耳鼻咽喉科が診療している口腔、咽喉頭、耳、鼻、甲状腺、唾液腺(耳下腺や顎下腺)、頸部などの中で、主として腫瘍性疾患の診断、手術を行います。
具体的な病名としては、甲状腺腫瘍(甲状腺良性腫瘍、甲状腺癌)、唾液腺腫瘍(耳下腺腫瘍、顎下腺腫瘍)、頸部嚢胞性腫瘍(正中頸嚢胞、側頸嚢胞)、唾石、口腔腫瘍(舌良性腫瘍、舌癌、歯肉癌など)、咽喉頭腫瘍(咽頭腫瘍、喉頭腫瘍、中咽頭癌、下咽頭癌など)、鼻腔腫瘍などが挙げられます。口腔、咽頭、鼻は、生体の入り口であり、外から様々な物質や細菌・ウイルスが侵入してきます。そのため炎症も多い部位なので、炎症によるリンパ節腫大や腫瘍なのか、手術が必要な腫瘍なのか診断する必要があります。
また腫瘍であれば良性か悪性かの診断も必要です。このような鑑別診断や治療方針の決定を行うために近隣の医療機関から当院に紹介受診される患者さんも多くおられます。
頭頸部外科の手術は会話、食事に影響しやすく人目に見える部位ということで患者さんは疑問や不安を抱えていることも少なくありません。頭頸部の癌は、肺癌、大腸癌などに比べれば罹患者数は少ないですが、頭頸部がん専門医も少なく(静岡県は10名)、詳しく相談できる施設も限られています。当科部長は静岡がんセンターに19年間在籍していたため頭頸部がんの治療経験が豊富で日本頭頸部外科学会頭頸部がん専門医、日本耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会専門医です。ご気軽にご相談頂ければと思います。
なお頭頸部癌の進行した症例では、手術で口腔や咽頭の組織を大きく切除せざるを得ない場合や、抗癌剤を併用しながら放射線治療を行う場合があります。このような症例は当院で診断した後に静岡がんセンター等に予約をとって紹介いたします。
日本耳鼻咽喉科学会ホームページより改変
頸部のしこりで発見されることが多く、健康診断で指摘されることもあります。もし癌であっても、そのほとんどが手術をすれば大変治りやすい癌です。
エコーや細い針で細胞を採取して癌かどうか診断します。甲状腺腫などの良性腫瘍では頸部が大きく腫れていたり、また腫瘍のために頸部の違和感が強い、悪性の疑いがあるなどのときに手術を行います。手術の時は、声帯を動かす発声に関与する神経(反回神経)が甲状腺に接して深部に隠れており、この神経を傷つけないように術中にモニターしながら手術します。
多くは耳の周囲のしこりでみつかります。良性の場合が70%程度です。
良性腫瘍でも多形腺腫の場合は悪性化する可能性がありますので、基本的に手術をお勧めしています。
耳下腺内には閉眼したり口唇や頬を動かす顔面神経が網の目状に走行しています。手術の際にはこの神経を術中にモニターし顔面神経へのダメージを最小限にします。また耳下腺手術では通常、耳の前から下にかけてS状皮膚切開を行いますが、傷が目立たないように皮膚切開をうなじ方向に行うこともあります(Facelift incision)。
頸部に比較的柔らかい腫瘍を触れるようになります。胎生期に頸部の構造ができる過程で、袋状の遺残物が生じて、その内部に液体や酒粕様物質が貯留したものです。
頸部切開をして腫瘍を壊さないように丸ごと摘出します。腫瘍が下顎骨に近接している場合は下口唇を動かす神経である顔面神経下顎縁枝を損傷しないようにこの神経をモニターしながら手術します。頸部皮膚切開は頸部の横皺にあわせてなるべく目立たないようにします。
頸部嚢胞性腫瘍では腫瘤内の液体や泥状物質が感染し炎症をきたすと痛みや皮膚発赤を生じます。この炎症はいったんは抗生剤で軽快しますが、周囲と癒着してしまい手術のときに剥離が困難になります。すると皮膚切開が大きくなり周囲の神経が傷ついたり完全摘出が困難になったりします。感染をきたさないうちに摘出することが推奨されます。
多くは食事の時に顎下部の腫れや痛みを生じます。唾液を作る顎下腺の唾液排出管のどこかに結石が生じています。
多くは口腔内から唾石を摘出して完治します。稀ですが顎下腺内に結石が生じた場合は頸部皮膚切開をして顎下腺ごと結石を摘出せざるを得ない例があります。唾石の手術では唾液排出管と舌神経(舌の知覚神経)が近接しており舌のしびれが後遺症とならないように注意が必要です。
口腔内の悪性腫瘍では舌癌が50~60%を占めます。多くの舌癌は舌の側面に歯や義歯が接触しておこります。
歯並びが悪い人や内側に傾いた歯がある人は要注意です。平均年齢は60歳前後ですが10~20歳台の若い人にもみられるので注意が必要です。
舌の同じところにできた口内炎が3週間以上治らない場合はすぐに耳鼻咽喉科や歯科の受診をお勧めします。治療は病変を切除しますが、もともと舌は会話や食事に必要な体積よりも十分に大きいので、舌全体の3分の1程度を切除しても困るような障害は残りません。早期に診断できれば手術で後遺症なく80~90%は治ります。
★当院医師の講演をご参照下さい。
(動画の4分30秒~22分40秒が舌癌の話です)
↑静岡がんセンターへのリンク
● 声帯ポリープ・・・大きいものやがんとの鑑別が必要な場合は全身麻酔で病変を切除します。なるべく声が悪化しないように行います。
● 声帯白板症や声帯癌・・・中~高年の男性に多く、喫煙歴が大きく関与します。喫煙歴があって声がかれる、出しにくいなどの場合は耳鼻咽喉科を受診してください。多くは診断のために声帯からの組織採取が必要となります。咳反射で組織採取が難しい部位ですので、全身麻酔で検査を行うこともあります。
中咽頭癌は扁桃腺やその周囲、舌根などにできる癌です。
中咽頭癌の原因は、飲酒、喫煙によるものとHPV(ヒト乳頭腫ウイルス)によるものがあります。HPVによる中咽頭癌はここ10年程度で増加傾向にあり、本邦の中咽頭癌の約6割はHPVによるものです。
頸部リンパ節の無痛性のしこりで発見されることが多く、40歳台から高齢者までに見られます。
HPVによる中咽頭癌は比較的治りやすい癌であり治療法は手術や射線療法どちらでも根治可能です。しかし放射線療法は舌や咽の粘膜にも放射線があたるため、味覚障害や口腔乾燥、歯肉炎などの後遺症が少なからず起こります。手術や抗癌剤を受ける体力がある60歳くらいまでの方では、放射線を使わない治療法(抗癌剤と手術の組み合わせ)で後遺症を最小限にすることが可能です。
下咽頭は食事の通路で、食道の上で声帯の高さ付近にあります。
発癌に過量飲酒(アルコール量で毎日40g以上の飲酒)が関係しています。咽頭痛、頸部のしこりで発症することが多いです。早期発見できれば内視鏡で病変を切除するだけで後遺症なく治せます。最近では胃食道内視鏡検査で無症状の早期の下咽頭癌が発見されることも多くなりました。
新型コロナウイルス感染後、2週間経過しても下記の症状が継続し日常生活に支障がある方
*脳神経外科領域の症状がある場合は、先に脳神経外科を受診していただく事があります。
*当院には小児科がないため中学生以下の診療は行っておりませんのでご注意ください。
症状 | 頭痛・ブレインフォグ(もやもやした気分不快感)・うつ気分 |
症状 | 倦怠感・めまい・しつこい咳・喘息様気管支炎・痰・咽頭痛・咽頭違和感 味覚障害・嗅覚障害・鼻閉・鼻汁・肩こり・腰痛・うつ気分 |
当科での治療はBスポット療法(上咽頭擦過療法)がメインです。コロナ後遺症の主な原因は慢性上咽頭炎です。
上咽頭は咽頭の上方で、鼻腔の後端に位置し、呼吸でウイルスが付着しやすい部位です。この部位にウイルスにより劣化した組織が残存し慢性上咽頭炎に移行している可能性があります。慢性上咽頭炎の治療は内服薬無効です。
Bスポット療法は上咽頭を内視鏡で観察しながら薬液をしませた綿棒で擦過し劣化組織を除去し再生させます。
週1回、合計1~5回のBスポット療法で、これまで当院では16歳~89歳までの約30名程で良好な治療効果を得られております。
また治療中は個人差がありますが痛みがあります。しかし痛みが強いほど治療の効果が期待出来ます。
最初の受診は水曜のみとなります。その後の治療はご希望日で予約しBスポット療法を継続していきますが、関連クリニック【耳鼻科サイラクリニック(沼津市市場町)、湧水耳鼻いんこう科(清水町サントムーンアネックス3F)】での継続治療も可能です。
●B-SPOT療法(日本耳鼻咽喉科学会での正式呼称はEAT:Epipharyngeal Abrasive Therapy)は、経鼻内視鏡で上咽頭を観察しながら、抗炎症作用のある1%塩化亜鉛液をしませた綿棒で擦過し、症状を起こしている上咽頭の劣化組織を除去し健常な粘膜再生を促す治療です。鼻または口から綿棒のついた器具を挿入し行います。
●治療の前に鼻腔と上咽頭に局所麻酔液をスプレーしてから行います。個人差がありますが治療後は上咽頭を中心に痛みが出るため、鎮痛剤(内服薬や座薬)を処方します。
●上咽頭炎を早期に治すために、市販されている鼻洗浄器(1000円程度)での上咽頭洗浄をお勧めしています。
●個人差はありますが、週に1-2回程度、合計1-5回程度の治療で症状の改善を認める方が多いです。
耳鼻咽喉科 毎週水曜日 午前9:00~12:00 午後14:00~16:30
脳神経外科 毎週水曜日 午前11:00~12:00
*いずれも原則予約診療のみの対応とさせていただきます。
*2回目以降の受診日は医師とご相談下さい。
*診察の状況により予約時間を過ぎる場合がございます。予めご了承ください。
*診察は通常の保険診療で患者負担があります。
月曜日~金曜日の12:00~14:00の間 お電話にて事前にご予約をお願い致します。
注意)当日のご予約は承っておりませんのでご注意ください。
電話番号
055-971-4133(代)
専門外来は水曜日午後2時から補聴器外来にて2名の補聴器相談医を中心とし言語聴覚士と連携し行っている。また2023年から水曜日にコロナ後遺症外来を開設した。外来診療においては耳鼻咽喉科領域全般に対応している。アレルギー性鼻炎に対してはスギ、ダニに対する皮下注射、舌下いずれかの免疫療法、アルゴンプラズマによる下鼻甲介焼灼術など多彩な治療を行っている。睡眠時無呼吸症候群に対しては終夜睡眠ポリグラフィーを行ったうえでの持続式陽圧呼吸療法(nCPAP)の導入およびその後の管理を行っている。コロナ後遺症外来ではコロナ感染を契機にした慢性的な倦怠感、咳、頭痛などに上咽頭擦過療法を行い良好な治療効果が得られている。さらにコロナ後の長期欠席(中高生)、休職(20~40歳台)などで苦しんでいる若年層に対して上咽頭擦過療法を初めとした耳鼻科的集学治療を行いその多くが社会復帰できている。また咽頭症状、後鼻漏、頸部リンパ節腫大、発熱などから判明した慢性上咽頭炎に対して上咽頭擦過療法を行い、元々あった慢性咳嗽、片頭痛などにも効果が得られている。入院治療は手術患者のほか、外来診療で加療困難な上気道炎症性疾患、難治性鼻出血、めまい、突発性難聴、顔面神経麻痺などに対しても入院加療を行っている。突発性難聴、顔面神経麻痺に対してはステロイド投与の他、麻酔科の協力のもと、星状神経節ブロックも行っている。手術治療は耳鼻咽喉科全般にわたる標準治療に対応している。内視鏡下鼻副鼻腔手術に関してはナビゲーションシステムを導入しており、より安全な手術を行っている。慢性中耳炎などに対する鼓室形成術は月2例ほど行っている。また頭頸部腫瘍関係は2021年2月より頭頸部がん専門医が赴任し近隣施設からのご紹介も多く頂いている。甲状腺や耳下腺手術ではNIM(術中神経モニタリングシステム)を用いて反回神経、顔面神経などを確実に温存している。
2023年度は全麻手術数270例で、そのうち鼻副鼻腔手術116例、鼓室形成術26例、頭頸部腫瘍関係(口腔~咽喉頭、唾液腺、甲状腺、頸部嚢胞性疾患、脂肪腫、粉瘤ほか)87例などであった。
甲状腺腫瘍185例(悪性119、良性66)、耳下腺腫瘍70例(悪性13、良性57)、舌癌97例、咽頭癌93例、喉頭癌29例、歯肉癌53例、鼻副鼻腔癌24例など
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数 (自院) | 平均在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
030400xx99xxxx | 前庭機能障害 手術なし | 70 | 6.36 | 4.79 | 0 | 69.61 |
030350xxxxxxxx | 慢性副鼻腔炎 | 65 | 7.08 | 6.23 | 0 | 59.06 |
030240xx99xxxx | 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし | 47 | 5.28 | 5.69 | 0 | 35 |
030250xx991xxx | 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり | 47 | 2 | 2.03 | 0 | 56.34 |
030428xxxxxxxx | 突発性難聴 | 45 | 11.11 | 8.56 | 0 | 58.49 |
令和四年度 病院指標
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|
K340-5 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術)) | 36 | 1.08 | 4.78 | 0 | 59.61 |
K3772 | 口蓋扁桃手術 摘出 | 32 | 1 | 8.06 | 0 | 29.66 |
K340-6 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) | 26 | 1 | 5.5 | 0 | 59.92 |
K3191 | 鼓室形成手術(耳小骨温存術) | 18 | 1 | 4.28 | 0 | 60.94 |
K368 | 扁桃周囲膿瘍切開術 | 17 | 0.41 | 4.94 | 0 | 37.47 |
令和四年度 病院指標
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日・祝 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
午前 | 鬼塚 哲郎 関 伸二 近藤 統太 | 関 伸二 交 替 制 | 鬼塚 哲郎 関 伸二 阿部 桐士 | 関 伸二 交 替 制 | 交 替 制 | 関 伸二 近藤 統太 阿部 桐士 | 【休診】 |
午後 | 鬼塚 哲郎 近藤 統太 | 交 替 制 | 鬼塚 哲郎 阿部 桐士 | 交 替 制 | 鬼塚 哲郎 近藤 統太 阿部 桐士 | 【休診】 | 【休診】 |
理事長 関 伸二
<専門分野>
一般耳鼻咽喉科・平衡神経
<学会>
日本耳鼻咽喉科学会、日本気管食道科学会
<専門医・認定医>
耳鼻咽喉科専門医
気管食道科学会認定医
補聴器相談医
部長 鬼塚 哲郎(おにつか てつろう)
<専門分野>
頭頸部腫瘍、甲状腺腫瘍
<学会>
日本耳鼻咽喉科学会
<専門医・認定医>
耳鼻咽喉科専門医・指導医・代議員
医学博士
静岡がんセンター特別非常勤医師
医長 近藤 統太
<専門分野>
一般耳鼻咽喉科
<学会>
日本耳鼻咽喉科学会
<専門医・認定医>
耳鼻咽喉科専門医
補聴器適合判定医
医員 阿部 桐士
<専門分野>
一般耳鼻咽喉科
1 受付・会計 | 6 脳波検査室 | 11 CT室 | 16 夜間救急入口 |
2 耳鼻咽喉・頭頸部外科 | 7 中央検査室 | 12 脳神経外科・外科・泌尿器科 | 17 売店 |
3 内科・循環器内科・点滴室 | 8 X線TV室 | 13 救急部 | |
4 生理機能検査室 | 9 一般撮影室2 | 14 整形外科 | |
5 生化学検査室 | 10 一般撮影室1 | 15 MRI室 |