平成27年度 三島中央病院指標

DPCデータを用いた病院指標
DPCデータから全国統一の定義と形式に基づいた指標を作成し情報公開を進めています。この指標によって、当院の特徴を理解して頂くことを目的としています。
現在公開している病院指標は、平成27年度(平成27年4月1日から平成28年3月31日)中に当院を退院した患者さんのデータを集計の対象として作成しています。

DPC(診断群分類別包括支払制度)
入院患者さんの症状をもとに、処置等の内容に応じて定められた1日当たりの定額の点数をもとに医療費の計算を行う制度です。

【指標の主な定義】
・ 平成27年度(2015.4.1~2016.3.31)に退院した患者さんが対象です。
・ 集計期間中に退院しなかった患者は集計に含めません。
・ 自動車賠償責任保険や労災保険、自費等は含めません。
・ 科の表示があるものは、医療資源を最も投入した傷病の担当医師が所属する科へ集計しています。
・ 「7.その他」を除き、同一疾患の3日以内の再入院は、最初の入院日から最終的な退院日までを入院期間として集計しています。
・ 全国の平均在院日数は、「平成27年度診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会」にて公表されたデータを使用しています。
・ 平均年齢は、最初の入院日時点の年齢を基準としています。

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 24 76 117 133 207 264 433 607 733 200
平成27年度に当院を退院された患者さんの年齢階級別(10歳刻み)患者数を表しています。
全体をみると、70歳以上の割合が全体の55%となっています。 三島市内だけではなく近隣の市町村も高齢化が進んだ影響と見受けられます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
診療科ごとに症例数上位3つの診断群分類について集計。指標に示される項目に関しては以下の通りです。
・DPCコード
診断群分類区分を表す14桁コードです。疾病と治療方法の組み合わせによって分類しますので同じ疾病でも治療方法が違えばDPCコードは異なってきます。
・DPC名称
コードを名称化しています。
・平均在院日数(自院)
病院に入院していた日数の平均値。
・平均在院日数(全国)
厚生労働省から公表された平成27年度における全国のDPC対象病院の在院日数の平均値。
・転院率
当院から他の病院に移動して継続入院することとなった患者さんの割合。

内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 151 18.07 21.69 11.26 83.86
040080x099x0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 116 8.85 14.34 9.48 65.84
110310xx99xxxx 腎臓または尿路の感染症 手術なし 35 11.71 12.6 0 78.74
誤嚥性肺炎が一番多くの患者さんで占められています。ただ、どの症例に関しても全国平均からみて在院日数は短くなっているのが特徴です。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx99x50x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等25あり 副傷病なし 46 1.22 4.53 0 75.11
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 38 7.11 7.91 0 65.68
060140xx97x00x 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 38 12.37 11 2.63 70.61
外科では腹腔鏡下での手術を積極的に取り入れ、できるだけ手術による負担を軽減するよう努めています。年齢層も高齢化により高い患者さんが多いため負担を避けるようにしています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 94 24.23 28.7 62.77 83.53
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 副傷病なし 49 20.10 21.52 20.41 81.94
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 副傷病なし 34 3.79 5.70 0 54.32
整形外科での第1位は大腿骨近位部骨折となっています。全国平均の在院日数よりも短くなるよう様々な検討を行っています。以下、骨折、上肢等の症例を多く行っています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x099000x 脳梗塞(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 21 19.05 15.80 28.57 73.57
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 15 11.07 10.02 0 81.07
010060x099030x 脳梗塞(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等23あり 副傷病なし 11 17.45 18.08 18.18 69.18
脳梗塞による患者さんが大勢を占めています。平均年齢も高めです。在院日数は極力長くならないよう配慮をしています。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 111 5.75 5.31 0 64.00
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 76 7.80 7.76 0 55.25
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 63 5.43 5.53 0 41.89
前庭機能障害によるめまいの患者さんが多く、次いで慢性副鼻腔炎での患者さんが続きます。在院日数は全国平均とほぼ変わりなく、標準的な医療を提供していると思われます。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xxxx 腎臓または尿路の感染症 手術なし - - 12.60 - -
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040080x099x0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 22 16.45 14.34 0 81.41
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 17 24.53 21.69 5.88 85.35
110310xx99xxxx 腎臓または尿路の感染症 手術なし - - 12.60 - -
肺炎、急性気管支炎が最も多く全国平均よりもやや多い傾向。転院率はほぼないものの、誤嚥性肺炎も在院日数がやや長め。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
UICC分類第7版。集計対象期間中に複数回入院された患者さんも1症例を1件として数えます。

UICC病期分類
国際対がん連合(UICC)によって定められた、①原発巣の大きさと進展度、②所属リンパ節への転移状況、③遠隔転移の有無の3つの要素によって各癌をⅠ期(早期)~Ⅳ期(末期)の4病期(ステージ)に分類するもの。

初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 3 5 1 9 2 7 1 6,7
大腸癌 5 4 25 43 5 24 1 6,7
乳癌 0 0 0 0 0 0 1
肺癌 0 0 0 1 0 2 1 7
肝癌 0 0 1 2 0 0 1 6,7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
大腸癌、胃癌がほぼ全体を占めています。胃癌、大腸癌については患者さんの状況や病状に応じて腹腔鏡下などでの手術を行い、患者さんの早期復帰や負担軽減に努めています。それらとは別に化学療法等も行っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
重症度 0 24 7.38 46.38
重症度 1 27 10.48 66.19
重症度 2 53 12.72 75.66
重症度 3 16 9.88 79.63
重症度 4 8 13.75 88.00
重症度 5 2 6.00 81.00
不明 0 0 0
普段の生活の中で罹患した肺炎の患者さんについて、重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を集計したものです。重症度は、市中肺炎ガイドラインによる重症度分類システム(A-DROPシステム)により分類しました。
重症度が上がるにつれ、年齢も上がっている傾向がみられます。ただ、在院日数は全国平均に比して短いものとなっています。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 1 2.00 61.00 0
その他 0 0 0 0
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 0 0 0 0
その他 0 0 0 0
I63$ 脳梗塞 3日以内 52 30.40 73.56 33.33
その他 2 14.50 76.50 0
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 0 0 0 0
その他 0 0 0 0
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 0 0 0 0
その他 0 0 0 0
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 0 0 0 0
その他 0 0 0 0
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内 0 0 0 0
その他 0 0 0 0
脳梗塞の病型別の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を集計しました。最も医療資源を投入した傷病名の脳梗塞ICD10の上3桁で集計しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
診療科ごとの手術について症例数上位3つを集計。指標に示される項目に関しては以下の通りです。
・Kコード
手術術式の点数表コード。
・名称
手術術式。
・平均術前日数
入院日から手術日までの日数の平均。手術日当日は含みません。
・平均術後日数
手術日から退院日までの日数の平均。手術日当日は含みません。
・転院率
当院から他の病院に移動して継続入院することとなった患者さんの割合。

内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 53 0.38 1.13 0 63.72
K7212 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) 23 0.30 1.48 0 60.87
K654 内視鏡的消化管止血術 13 2.92 15.85 7.69 76.38
消化器内科では、内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)、(長径2cm以上)を多く行なっています。 大腸ポリープや大腸腫瘍を切除するための手術です。近隣には消化器内科が少なく、当院での処置を要望されるケースも散見されています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 55 0.04 2.29 0 65.16
K654 内視鏡的消化管止血術 50 0.26 9.24 4.00 72.44
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 40 6.03 6.30 0 63.20
外科で最も多い手術は、鼠径ヘルニア(脱腸)の手術です。2番目は内視鏡的消化管止血術ですが平成28年においては内科メインの施行術となっております。3番目は腹腔鏡下胆嚢摘出術で、胆嚢炎や胆石などの疾患に対して行います。在院日数も13日前後となっています。 さらに4番目ではありますが、総胆管結石症などに対して腹腔鏡下胆管切開結石摘出術(胆嚢摘出を含む)が32件となっております。この術は県内他院ではほとんど施行されていない術でもあり、腹腔鏡下で行うことにより、患者さんの負担を出来るだけ小さくするように努めています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿・上腕) 77 2.58 16.87 42.86 76.53
K0811 人工骨頭挿入術(股) 36 4.42 20.86 66.67 82.11
K0463 骨折観血的手術(その他) 35 1.29 7.43 0 54.54
整形外科内でも専門性に特化した医師陣でバランスよく手術を行っています。1番は大腿・上腕の骨折観血的手術となっており、続いて人工骨頭挿入術、その他部位の骨折と続いています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 11 0 16.91 0 82.36
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 4 29.00 33.50 50.00 79.50
K0461 骨折観血的手術(大腿) 1 3.00 57.00 0 88.00
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 63 1.05 5.76 0 55.95
K319 鼓室形成手術 25 0.96 5.60 0 57.80
K347 鼻中隔矯正術 25 0.96 3.80 0 38.52
慢性副鼻腔炎に対する内視鏡下副鼻腔手術、鼻中隔弯曲症に対する鼻中隔矯正術などの鼻疾患に対する手術を数多く行っています(1番目と3番目)。その他中耳炎に対する鼓室形成術も数多く行っております。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 1 35.00 32.00 0 72.00
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
指標に示される項目に関しては以下の通りです。
・DPC
14桁あるDPCコードのうち、6桁のDPCコードで集計。DPCコード6桁は病名による診断群分類区分を表しており、治療方法による分類を含みません。
・入院契機
DPC(診断群分類別包括支払制度)において包括請求の対象となる病気(DPC病名・最も医療資源を費やした病名)とは別に、入院の契機となった病気(入院契機病名)が入院患者さんにつけられます。

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 1 0.04
異なる 8 0.29
180010 敗血症 同一 4 0.14
異なる 4 0.14
180035 その他の真菌感染症 同一 0 0
異なる 4 0.14
180040 手術・処置等の合併症 同一 2 0.07
異なる 2 0.07
重篤な疾患である播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌感染症、について発症率を集計しています。その重篤な疾患が、入院のきっかけとなった病名と「同一」か「異なる」かの内訳を示しています。
DPC上と同一でなかったものに関しては、癌や感染症で入院された後に全身状態が悪化してしまい、播種性血管内凝固症候群や敗血症など重篤となったケースが挙げられます。手術や処置などは細心の注意を払って施行しておりますが、合併症は一定確率で起こってしまうこともまた事実です。起こりうるあるいは起こってしまった合併症に関しては、患者さんへの説明を遵守しています。そのうえで手術や処置の施行に同意いただくよう努めています。
更新履歴
9/29
新規公開